User Interviewsとは

User Interviewsは、2015年にBasel Fakhoury、Dennis Meng、Bob Sarisの3人が立ち上げたリサーチ参加者の採用基盤。

6M人を超えるオプトインパネルから属性や職種で対象を絞り、研究者と参加者を数時間でマッチングする。

2026年1月にUserTestingが買収し、同年10月には両社を束ねる親会社Aurosが発足した。

ストーリー

創業から成功に至るまでの道のり。

旅行アプリの終わりから始まった

2015年の夏、Basel Fakhoury、Dennis Meng、Bob Sarisの3人は、1年半かけて開発したモバイル旅行アプリを閉じる決断をした。

銀行に残った資金は10万ドルあまり。

「自分たちだけが欲しい製品を作った」という反省から、次の1週間で100以上のアイデアを書き出し、ユーザーリサーチで検証することを最初の工程に置いた。出典

参加者を集めるのが、いちばん難しい

3人は数週間で終わるはずの検証に3か月を費やした。

友人や家族を頼り、カフェやホテルのロビー、空港の搭乗口で見知らぬ人に声をかけた。

Airbnbのホスト全員にメッセージを送って追い出されたこともある。

この体験から「参加者を見つけて日程を組む作業そのものが製品になる」という確信が生まれた。

Basel Fakhouryは後に「We started User Interviews to help organizations hear from the people that matter most to their business」と語っている。出典

2015年、3人の共同創業

こうしてUser Interviewsは、研究者と参加者をつなぐ採用プラットフォームとして始まった。

属性や職種で参加者を絞り込み、スクリーニングし、日程と謝礼を管理する。

2018年までに$10MのSeries Aを調達し、同じ年にフルリモートへ移行した。出典

パネルを資産に変える

製品は採用だけでなく、既存顧客を研究参加者として呼び込むオプトインパネル、同意・謝礼・連絡ルールの自動化、研究CRMへ広がった。

オプトインの参加者は6M人を超え、34か国に及ぶ。

SOC 2 Type IIとISO 27001・27701を取得し、エンタープライズの調達基準にも対応した。出典

UserTestingの傘下、そしてAurosへ

2026年1月7日、UserTestingがUser Interviewsを買収すると発表した。

参加者パネルとインサイト基盤を組み合わせ、AI時代の顧客理解を大規模に提供する狙いだ。

同年10月8日には、UserTestingとUser Interviewsを束ねる親会社としてAurosが発足し、CEOのEric Johnsonは「Auros will serve both as our corporate brand, parent to UserTesting and User Interviews」と説明した。出典

10年前の失敗から始まった3人の事業は、研究採用を支えるインフラとして、より大きな企業の一部になっている。

独自分析

PMF (プロダクトマーケットフィット)

ユーザーリサーチの障壁は、調査そのものより「対象条件に合う参加者を期限内に集める」作業にある。

User Interviewsの創業者たちは、自分たちの新規事業を検証する過程でカフェや空港で見知らぬ人に声をかけ、参加者集めに何週間も費やした。

この実体験から、採用と日程調整を仕組みにする製品が生まれた。出典

研究者は、属性や職種で絞った参加者を数時間で確保し、日程・謝礼・同意の管理まで同じ画面で完結できる。

専門のリクルート担当を置けない小さなプロダクト組織でも調査の回転数を上げられる点が支持されている。出典

参入障壁 (Moat)

障壁は、属性・職種で絞り込める6M人超のオプトインパネルと、その品質を保つ不正対策、研究者側の履歴(再招待・研究CRM)からなる供給網だ。

パネルは短期間で複製できず、研究者が過去の参加者を再利用するほど移行コストが上がる。出典

ネットワーク効果

ネットワーク効果は中程度だ。

研究者が増えるほど参加者の謝礼機会が増え、参加者が増えるほど採用の成功率と速度が上がる二面市場が働く。

ただし研究者側は複数の採用手段を併用でき、パネル供給は提携で代替できるため、勝者総取りにはなりにくい。出典

ターゲット

中心は、専門のリサーチチームを持たないか、持ち始めたプロダクト組織だ。

プロダクトマネージャー、デザイナー、UXリサーチャーが、数日以内に特定セグメントの参加者を集めたい場面で使われる。

加えて、AIモデルの学習・評価用に人手のデータを必要とするAI企業も対象に加わった。出典

成功要因

第一に、創業者自身が参加者集めの苦労を経験し、実在する痛みに最初から賭けたこと。

第二に、パネル規模(6M人超)と品質管理(不正検知、98.3%の肯定的なセッション評価)を両立し、採用の速さを製品価値に変えたこと。

第三に、研究者の要望に沿って採用だけでなく日程調整・謝礼・研究CRMへ機能を広げ、乗り換えコストを高めたことだ。出典

失敗・課題

課題は、参加者パネルという供給側の資産を抱えるがゆえの維持コストと、買収後の主体性だ。

パネルには継続的な獲得と不正対策の投資が要る。

2026年1月にUserTestingの傘下へ入り、10月には親会社AurosのもとでUserTestingと並ぶブランドになったため、製品ロードマップの決定権は親会社に移った。

単独での成長余地や価格設定の自由度は、以前より小さくなっている可能性がある。出典

グロース戦略

成長は、研究者が自社パネルと共有パネルの両方から採用できる二面構造で作られてきた。

無料登録で小規模チームを取り込み、セッション課金($49/セッション、まとめ買いで$41)で利用が増えるほど収益が伸びる。

近年はAIの学習・評価に使う人手データの募集という新しい用途を開拓し、UserTestingとの統合でエンタープライズのインサイト基盤へ販路を広げる。

トレードオフは、親会社の製品群の一部になることで単独ブランドの訴求が弱まる点だ。出典

主要チャネル: content, seo, community, events, partners

学べること

自分たちが当事者として味わった不便は、最も信頼できる事業機会になる。

3人は失敗した旅行アプリの反省から、次は顧客の声を先に確かめると決め、その検証方法そのものを製品にした。

同時に、供給網を握る事業は買収されやすく、独立を保つには用途の拡張が要ることも示している。出典

日本で展開するなら

日本では、リサーチ参加者への謝礼と確定申告の扱い、属性情報の同意取得が導入の論点になる。

国内にはクラウドソーシング型の参加者集めが定着しているため、研究目的に特化したスクリーニングと日程調整の自動化を国内パネルと組み合わせて提供できる余地がある。

個人情報の扱いに敏感な企業では、同意管理と研究CRMの整備が導入の決め手になりやすい。出典

主な競合

  • UserTesting
  • Respondent
  • Prolific
  • Userlytics
  • Dscout
  • SurveyMonkey

Timeline

創業から成功に至る道のり。転機ごとの収益・調達・バリュエーション (出典あり) も併記します。

  1. ローンチ出典

  2. 研究者と参加者をつなぐ採用プラットフォームとしてUser Interviewsを創業。出典

  3. Basel Fakhoury、Dennis Meng、Bob Sarisの3人が、1年半取り組んだモバイル旅行アプリを閉じる。残った資金は10万ドルあまりで、100以上のアイデアをユーザーリサーチで検証した末に参加者採用というテーマへたどり着く。出典

  4. $10MのSeries Aを調達。同じ年にフルリモート体制へ移行する。出典

  5. UserTestingがUser Interviewsを買収すると発表。参加者パネルとインサイト基盤を組み合わせる。出典

  6. UserTestingとUser Interviewsを束ねる親会社としてAurosが発足。CEOはEric Johnson。出典

ポジショニング

分析で挙げた競合プロダクトとの相対位置を示しています。

セッション課金のセルフサーブ寄りだが、エンタープライズ向けの研究CRMも持ち、参加者採用に特化した位置

参考リンク

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